赤ちゃんのミルク、断水・停電時にどう備える?液体ミルクという選択肢

在宅避難・備蓄

行政は「最低3日分、できれば1週間分」の備蓄を呼びかけているが、大都市圏のマンションでは物流が止まると復旧までさらに時間がかかることが過去の震災で分かっている。特に乳幼児がいる世帯では、他の食品では代用できない「ミルク」の備えが生命線になる。この記事では、マンションでの長期備蓄の考え方と、断水・停電時に強い「液体ミルク」を紹介する。

なぜ「3日」ではなく「1週間〜2週間」なのか

東日本大震災では、分譲マンションで水道の復旧やスーパーでの物資調達が円滑になるまでに1週間前後を要した。大都市圏は食料・燃料をほぼ外部に依存しているため、大地震で交通網・港湾が寸断されると物流が同時にマヒし、最初の1週間は大規模な救援物資が届かないおそれがある。行政の「最低3日分、できれば1週間分」はあくまで最低ラインで、大都市圏のマンション住まいでは「最低でも14日間(2週間)から1ヶ月分」の備蓄が現実的な目安とされる(参考:アメリカFEMAは最低2週間、スイス政府は45日間の自活備蓄を推奨)。

(出典:SEI SHOP「首都圏直下地震と食料備蓄──『1週間では到底足りない』という現実」/農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」)

ローリングストックと栄養バランス

長期備蓄を無理なく維持する鍵は「ローリングストック法」。普段食べる缶詰・レトルト・乾麺等を多めに買い置きし、賞味期限の古いものから消費して減った分を買い足す。被災直後は炭水化物(主食)に偏りがちでタンパク質・ビタミン・食物繊維が不足しやすいため、主食(パックご飯・乾麺等)に加えて、主菜(肉・魚の缶詰等)、副菜(日持ちする野菜・野菜ジュース等)をバランスよく備える。

飲料水は1人1日3L・1週間で1人あたり21Lが目安。トイレは「1日5回×世帯人数×避難日数」で計算し、4人家族の1週間分なら簡易トイレ約140〜150回分が必要になる。

(出典:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」)

乳幼児がいる世帯の生命線 — 液体ミルク

災害時、他の食品で代用がきかない唯一の食べ物が乳児用ミルクだが、断水・停電・ガス停止が起きると粉ミルクの調乳に必要な「清潔な水」「70℃以上のお湯」の確保が難しくなる。ここで役立つのが「乳児用液体ミルク」で、常温保存可能・調乳不要、哺乳瓶や清潔な容器に移すだけでそのまま飲ませられる。2016年の熊本地震でフィンランドから緊急輸入されたことを契機に国内の規格基準が整備され、2019年春から江崎グリコ・明治等が国内製造・販売を開始した。

備蓄期限は容器素材で異なり、紙パックタイプは6ヶ月、缶入りタイプは12ヶ月が常温保存の目安。内閣府の7日間備蓄推奨に基づき、1日あたり5缶(パック)想定で7日分なら最低35缶(パック)以上の備蓄が推奨される。飲みかけは口内の雑菌が増えるため再利用・冷蔵保存はできず、その都度飲み切る必要がある。冷たいミルクを嫌がる場合は容器のまま「母親の胸と下着の間」に入れて人肌に温めるか、湯煎で37〜40℃程度に温める(直火・電子レンジは厳禁)。

(出典:冬城産婦人科医院「『乳児用液体ミルク』備蓄のススメ」/独立行政法人 農畜産業振興機構「ミルクは乳児の命づな」/ココハレ「災害時に便利な液体ミルクの備蓄が進んでいます」/All About「災害時の液体ミルク利用法」)

紹介商品:アイクレオ 赤ちゃんミルク 125ml×6本(江崎グリコ)

¥1,464(税込・2026-08-25時点。残りわずか。公開前に在庫再確認)

国内メーカーの液体ミルクとして先行して普及した製品で、レビューでは「家では粉ミルク、外出先ではこちらを使用しているが嫌がることなく飲んでくれる」「紙パックなので飲み終わったら潰してバッグに入れられ、外出時に持ち歩きやすい」といった、常温でそのまま飲ませられる手軽さを評価する声が多い。

一方、コスト面では「125mLで200円弱するため、粉ミルクと比べると割高」という指摘があり、日常使いよりも外出時・災害時の備蓄用途と割り切って使う声が目立つ。賞味期限は6ヶ月と粉ミルク(約1.5年)より短いため、賞味期限管理を前提にした運用が必要になる。

常温保存・調乳不要という特性は断水・停電時にそのまま強みになる一方、コストと賞味期限の短さがネック。普段の外出時に消費しながら備蓄分を買い足す運用にするのが現実的。

液体ミルク以外に備えたい乳幼児グッズ

液体ミルクに加えて、そのまま食べられるレトルトの離乳食・ベビーフード(最低3日〜1週間分)、救援物資の到着が遅れがちな紙おむつ(最低1週間分)、おしりふき、母子手帳のコピー等を一緒に備えておくことが推奨される。哺乳瓶や乳首の煮沸消毒ができない事態に備え、消毒不要の使い捨て哺乳瓶や、コップ・スプーンで少しずつ飲ませる「コップ授乳」の手技を平時に知っておくことも有効とされる。

(出典:独立行政法人 農畜産業振興機構「ミルクは乳児の命づな」)

状況別のおすすめ

  • 乳幼児がいる世帯 → 液体ミルクを外出時に消費しながらローリングストック
  • 全世帯共通 → 飲料水1人1日3L×14日分、簡易トイレ「1日5回×人数×日数」分を目安に備蓄
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